ベトナムのカフェはなぜ居心地が良いのか?
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ベトナムでは通りを歩けば、何軒ものカフェが軒を連ねる。フランス支配の影響もあり、カフェ文化が健在で、練乳たっぷりのエスプレッソを飲んで一日を始めたり、仕事や授業終わりに生搾りのジュースで友人と何時間もだべっていたりする。この国ではそんなふうにカフェが日常に溶け込んでいる。 外国人である自分が行っても居心地が良いと感じる。どんなところにそんな居心地の良さがあるのか少し掘ってみよう。
どんなカフェ?
実際にカフェにいると時間を忘れてしまうほど、のんびりとした時を過ごせる。2〜3時間くらい長居しても問題ないように設計されているカフェも多い。あらゆる角度からリラックスできるよう徹底されていると感じる。基本的にWi-Fiがあり、暑い国なので冷たいドリンクメニューの種類も多く、オープンカフェの形態を取っているカフェが多く見られる。

空間作り
ベトナムは一年中暖かな気候で、日の出ているうちは外にいるだけでも億劫に感じるくらい暑いことも多い。いくらバイクで飛ばしていてもヘルメットが蒸れて、暑いものは暑いし、町中を歩いているなら尚更暑い。どこか涼しい場所で冷たい飲み物を飲みながら一服したい。それにベトナムは季節にもよるが、ゲリラ豪雨が多い。急に降り出した雨を凌ぐために休憩がてらカフェに入ることもありそうだ。
ベトナムのカフェは路地と一体となっていたり、オープンカフェが圧倒的に多い。エアコンは電気代という経費が重いという理由もありそうだが、蒸し蒸しした気候なので風通しの良さを好む性質だということも外せない。建物は大抵通気性を考慮して、廊下が開け放たれていたり、テラスが広がっていたりする。扇風機があることが多く、こちらに向けてくれる。
また、ベトナムのカフェは周辺の景観をカフェの空間として扱っている。川や湖、夕陽、人通りのある交差点や路地が眺められる景観が良い場所はその景観を特等席で眺めることができるオープンエアが好まれるのかとも思う。


ドリンクメニュー
メニューの豊富さは特筆すべきかと思う。赤いプラスチックイスが並ぶだけの簡素なローカル店を除けば、大抵メニューは豊富である。コーヒーや生搾りのジュース、スムージーや、普通のお茶からジンジャーティー、ヨーグルトジュース、コーラやエナジードリンクなどの炭酸飲料がメニューにあることが多い。夕方に地元民で賑わっているカフェは特にその傾向がある。逆に朝に賑わっている年配層の多いカフェはコーヒーと生搾りのジュースのみだったりするなどメニューがシンプルな傾向にある。
柔軟なルール
ローカルのカフェだと大抵食べ物の持ち込みが許されている。ベトナムのカフェは基本的にドリンクメニューしかないため、小腹が空いた人はバインミーを持ち込んでいたり、ケーキのようなものを食べている人も見かける。流石に主食となるようなテイクアウトしたものはNGなのかもしれないが、軽食は許容範囲である。朝食にバインミーを買って行って、カフェでコーヒーを飲みながら朝食を取る、という使い方もできる。(ハイランズカフェやコンカフェ、AHAカフェなどのチェーン店はNGなことが多い。飲食禁止マークがある。)
また、煙草も吸い放題である。オープンカフェになっている席は基本吸っても問題ないことが多い。(現地の人が吸っていたらそこは間違いなく吸って良い。心配なら店員に確認するのが吉だけど。)
居心地の良さはどこにある?
いろんな物理的快適条件が揃ったベトナムのカフェ。そこから居心地の良さはどこにあるのだろうか。少し考えてみた。
長居を許容する文化
これらのベトナムのカフェの特徴から浮かび上がってくるのは、長居を許容する文化があるということである。夕陽を見に一人でゆっくりする人もいれば、カフェで友人とずっと喋っている集団もある。PCを開いている人もいる。ドリンクがなくなっても、日が沈んでも、ずっと喋り続けている。頼んだジュースと一緒にTrà tắcを出してくれるカフェも多い。そういうカフェはおかわりを持ってきてくれたりもする。長居する客を追い出そうという空気が一切ないようにも見える。テーブルにいる客は基本放置されて、店主は奥の方で寝ていたりスマホで動画を見続けていたりしているような自由さがある。そこには居続けることへのストレスが少ない。
必要以上に干渉してこない
これはフレンドリーさとは関係ない。地元の人から話しかけられることもあるし、店の人から「どこから来たの?」と声をかけられることもしばしばであり、むしろフレンドリーに接してくれる人が多いくらいである。それでもベトナムのカフェは放置してくれるというような、客を空気として扱ってくれるような居心地の良さがある。悪い意味ではなく、その場所にあるものとして扱ってるような自然さとでもいうべきかな。例えば、目の前に川があり、水路だって当たり前のように存在し、そこを見渡すようにテーブルが置かれ、椅子もおまけのようについてくる。その中に人も換算されて当然というような空気である。客というよりは一人分の椅子が増えた、というような気軽さが対人関係にも感じられる。
これさえ覚えておけばOK
- ベトナムのカフェにはWi-Fi、クーラーはなくとも扇風機、豊富なメニュー、ゆるいルールがある
- 長居しやすい文化と、風景の一部とされるような居心地の良さがある
まとめ
日常に溶け込んでるという視点からベトナムのカフェについてまとめてみた。ベトナム人にとってのカフェとはどんな存在なのか見えてくるようにも感じる。